前回予備校について書かせていただいたので、今回は合格への主な要素4つ「1.予備校」「2.勉強環境」「3.受験戦略」「4.モチベーション」のうち、その2「勉強環境」です。
USCPA取得に必要な勉強時間は諸説ありますが、一般的には1,000〜1,500時間でしょうか。当然、英語が得意かどうか、簿記や経理の知識がもともとあるかも関係します。ちなみに私の場合は勉強開始時、簿記2級、TOEICは600点程度、経済学部卒で経理実務の経験はなしでした。特に英語に関しては日本人としてUSCPAを志す人の中ではかなり低い方だっただろうと思います。(ちなみにUSCPA合格後、TOEICは765点まで力が上がってました!)
参考までに他の資格だと日本の会計士は3,000~5,000時間、中小企業診断士800~1,000時間、社会保険労務士1,000時間ということなので、日本の会計士よりは労力は少ないとは言うものの、社会人が仕事しながら取るという資格の中ではかなり立派な部類に入るものと思います。大概普通の人は“米国公認会計士”ですっていうと「おっ!」ってなりますし。
以降、私の勉強環境について解説いたします。
前回少し触れましたが(受験に向けた予備校選びと勉強法<2020年7月6日>)、私の場合は最初の予備校T社に入学(2009年10月)してからREGにパス(2013年4月)するまでに実に3年7ヶ月掛かりました。その後、プロアクティブに入学(2013年7月)してからFAR・BECさらに最終科目のAUDにパス(2014年7月)までが1年でしたので、延べ約5年です。ただ、最初の3年7ヶ月と最後の1年はまさに勉強環境が大きく違いました。前半期と後半期に分けた比較表がこちらです。
【勉強環境等比較表】

前半期と後半期の境目に私には偶然「転勤」という転機がありました。忙しい本社から比較的時間にゆとりがある事業所に移ったため、特に出勤後の勉強時間の確保がしやすくなったのはラッキーでした。「ここで取らなきゃ、一生取れないだろう。」という思いも、後押しになりました。
また、一見不利に働きそうな“通勤時間が延びたこと”も、むしろプラスに働きました。出勤後T社のビデオ講座に通っていた時や、朝カフェで勉強していた時は正直睡魔に負けてしまったこともしばしばでした。よく通勤時間を勉強に充てるという方もいますが、私は通勤時間を完全に睡眠に充てて、その後の机に向かっての勉強時間の集中力を高める方法を取りました。これがパフォーマンスを高めるための最高のローテンションになりました。
さらに、もう一つの偶然は日本受験という仕組みがスタートしたことです。私がUSCPAの勉強を始めた当初はアメリカでしか試験を受けることができないため、グアムに受験しに行く必要がありました。渡航費も考えると1科目ずつという訳にもいかないので2科目同時に勉強を進めましたが、やはり濃度が薄まります。日本受験が開始(2011年夏〜)して、1科目ずつexamを受けられるようになってからはやはり勉強効率が良くなったと感じました。
あとはやはり社会人なのでオン・オフのメリハリは大切だと思います。勉強に集中した後半期でもゴルフや登山は行きましたし、誘われた飲み会には基本参加しました。普段は図書館でがっつり勉強した一方で、疲れていたり調子が乗らない日はスタバで講義動画だけ見ることにしたりもしました。最終的には継続することが1番ですので、途中で息切れしないように適度に息抜きをすべきです。それが厳密には「いつまでに取らなきゃいけない。」などの時間的制約に縛られない社会人の資格取得の特権だとも思います。
恐らく予備校と同じで、勉強環境の作り方にも万人に通じる正解というのはないと思いますので、とにかく時間と集中力を確保できるような環境を、偶然との出会いも考慮しながら見つけられるかどうかが鍵でしょう。
以上
